My logbook : 屋久島方丈記 
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  たわごと編: No.119  
  2012.08.20 電気自動車を見かけることが多くなったけれども  
 
  世界自然遺産の島屋久島では、ほぼ全ての電力が水力発電で賄われているということで、県がその特徴を活かすべく「屋久島CO2フリーの島づくり」というのを推進しており平成22年度から電気自動車とその充電設備の導入を促進してきているとのことである。屋久島町ではそれを受けて電気自動車導入を助成する電気自動車普及促進支援事業というのを実施していて、国の「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(電気自動車等導入費補助事業)」制度で規定する上限額を超えない額を助成しているようである。島内では電気自動車を見かける機会も多くなっている。

私がネットで見た情報では、通常の消費者であれば電気自動車を1台持つとその家庭の電力消費量が2倍になるというアメリカでの調査結果があるようである。屋久島で仮に全家庭1台の電気自動車を保有するとすれば、今の全家庭の電力消費量の2倍の電力供給能力を持たなければならなくなる。いま発電余力がどのくらいあってどのくらいの電気自動車普及が可能なのか気になる。電気自動車普及と発電能力増強計画の見通し、あるいは現状での電気自動車普及可能限界台数の見積りがどうなっているのか知りたいと思っている。町の今年度の電気自動車普及促進支援事業の対象台数は50台程度ということだが、助成なしの値段2倍の高い車を買う人も少ないだろうから10年やっても屋久島の電気自動車数は500台くらい、多分島全体の5%くらいにしかならないと思われる。なにも考えなくてもこれくらいの発電余力はあるからやっている事業なのかもしれない。

さて私は屋久島の電気自動車情勢以上に、これから日本中あるいは世界中で電気自動車が席捲するのかというはなしに関心がある。充電するために必要な電力供給の観点から考えて疑問を持っている。あるブログに出ていたのだが2011年の電力各社の発電能力をまとめた資料では、誤差は若干含むと思われるが日本全体での現状の発電能力は22608万kW(原発を抜くと17560万kW)だそうである。そして電力需要のピークは2001年7月で18200万kWだったそうである。民生家庭用はおよそ3分の1弱ということなので6000万kWと見ておくと、日本全家庭電気自動車1台保有するとすれば電力需要ピーク予想値は24200(18200+6000)万kWで原発込みの発電能力を上回る。

安全を見越し発電能力の90%以内に需要ピークを抑えるとして原発込みで20347(22608*0.9)万kW以内に収めるには、電気自動車による増分は2147(20347ー18200)万kW以内と制限されるから全国家庭の3分の1(2147/6000)くらいが各一台電気自動車を保有できることになる。ただ電気自動車を家庭以外でも使用するとなると家庭で保有する余力はこれより小さくなる。原発抜きの場合は電気自動車どころではない。15804(17560*0.9)万kW以内に収めるためには、需要ピークを2306(18200-15804)万kW下げる節電努力が今でも必要ということになるのである。以上、直感的な疑問を検証してみたが、電気自動車が主流の世の中になるというはなしにはべらぼうな発電能力の増強が前提となっているようである。その前提条件をクリアする見通しがあってのはなしなのかどうか知りたいものである。

補足: 電気自動車のバッテリー劣化
2015.08.01
ある自動車会社の電気自動車が走行距離3~4万kmくらいでバッテリーが急速劣化し一回充電で50km程度しか走れなくなったと告発するような記事があった。しかし長年使うとバッテリーはどんどん劣化する。劣化したバッテリーは満充電してもすぐに空になってしまう。劣化したバッテリーは交換するしかない。こういうことは以前から分かっていたことである。つまり電気自動車では日々の電気代は見かけ安いがそれに上積みしてバッテリー交換代が必要になる。その合計がガソリン車などの従来車の燃料費相当と考えなければならない。そしてバッテリー価格は2030年時点でも30万円くらいの見通しらしい。

私は昨年車を買い替えたのだが、1200ccのガソリン車である。車自体安かったし、わが家の使用頻度では満タンで二ヶ月はもつ。駆動用バッテリーを搭載したエコカーは初めから眼中になかったが、私のその選択はよかったと自信を持ってよいようである。


(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:

   No.34  電気自動車充電ステーション  (2011.01.31)
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   No.54  急速充電ステーション実証実験  (2011.06.13)
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   No.495  離島ではEVよりHVか_屁理屈をこねる  (2018.12.24)
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