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  たわごと編: No.491
 
  2018.11.26 ソ連に分捕られた島_固有の領土かロシア領土か  
 
  11月14日のシンガポールにおける安倍首相とプーチン大統領の首脳会談で、北方領土問題が2島返還プラスアルファになるという方向で日露平和条約締結に向けて交渉が進めることになったということらしい。プラスアルファは他島への日露共同経済活動や渡航自由という見方が出ている。また会談後のプーチン大統領の発言を見ると、2島は日本に帰って来るが主権はどうなるのか分からないという懸念もあるようである。

ロシアの領土についての考え方は、もともとロシアの領土でいまもロシアのものである領土とロシアが征服あるいは占領あるいは条約などで割譲され、いまもロシアのものである領土がロシアの領土であるということのようである。そしてロシアの領土の大半は征服して得た領土なのだそうである。ロシアには固有の領土という観念はないようなのである。

ところが一方日本は、固有の領土だから返せと言うのだが、ロシアから見れば征服して得た領土は既にロシアのもので、日本が言う日本の固有の領土ではないからはなしは噛みあわない。私も、日本政府が言う固有の領土という表現にずっと違和感を持ってきた。固有の領土とは、外国の領土に一度もなったことが無い領土というのが政府の定義らしいが、北方領土はロシアの領土になっているのだから、かつては固有の領土ではあったかも知れないがいまはそうでない領土なのに、なぜ固有の領土という表現をするのかと思って来たのである。

かつてロシアのものになった日本の領土を日本に返還して欲しいとなれば、返還を求める理由は何なのか、返還の対価あるいは条件と合わせロシアに納得させる必要がある。元住民の高齢化や固有領土論では理由に弱い。いまロシアは1965年日ソ共同宣言を国家間の約束だと表明しているので、中国の日本包囲網対策を優先して日露平和条約を締結しロシアと日本の関係を強化するのが妥当な選択かと思われる。2島返還プラスアルファの中身を詰め日本になるべく有利に出来れば御の字ではないかという気がしている。ただし主権は譲れない問題である。


補足1: 領土_むかしから勢力争いに勝った結果
ところで、むかしから国家の領土と言えば、もともとその国家の領土だったところを除けば、征服したりあるいは勝ち取ったり、あるいは条約などで割譲されてできた領土である。ある国がもし固有の領土と主張する領土があると言う場合、いつのころのことを起源にして固有の領土と言っているのか。多分、国という概念がなかった時代から時を経て国家は形成されて来たのであって、人類発生後初めてある土地に足を踏み入れた人類もしかしたらいま原住民と言われる人たちしか固有の領土と主張できる人たちはいないのではないか。領土とはある時代にある国家が支配した領土で、時代により国家もその境界も変動して来た。それが歴史であり、ある他国のいまの領土が歴史的に自国のものだったと言っても、歴史の流れの中でいまは他国の領土になっているわけである。その現状を変えるには何らかの理由と交渉あるいは戦争などによることになる。そしていまも武力や威嚇で領土を確保・拡張しようという国家がいること、むかしと変わりないわけである。

補足2: 国家・領土を守るもの_外交力・防衛力・経済力
そこで思うのだが、国家には外交力・防衛力は国家・領土を守って行くために必須である。そしてそれを支える経済を豊かに維持していくことが重要である。外交・防衛は政治の課題だから国民の課題としてはまともな政治家を選ぶことに帰結する。経済は政治の影響を受けるが企業や経営者などの経済活動の成果であり、企業や経営者などは国家・国民としての志を持って経済活動を行う責任意識も重要である。いまのところ私は安倍首相あるいは安倍政権の世界情勢への対応戦略(外交・防衛・経済)をその動きから推し量るに私の感覚と通じるような気がしている。


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屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
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