My logbook : 屋久島方丈記 
Home > backnumber目次 > 記事  
  日誌編  ・ 偏見ご免のたわごと編  
  たわごと編: No.523
 
  2019.06.10 いまの歴史戦の端緒_仕掛けたのはどっち  
 
  「歴史戦と思想戦ー歴史問題の読み解き方(山崎雅弘著・集英社新書)」を読んだ。表紙カバー裏に”今、出版会と言論界で一つの戦いが繰り広げられている。南京虐殺や慰安婦問題など、歴史問題に起因する中国や韓国からの批判を「不当な日本攻撃」と解釈し、日本人は積極的にそうした「侵略」に反撃すべきだという歴史問題を戦場とする戦い、すなわち「歴史戦」である”とある。

著者の言う歴史戦の定義は以上のようらしい。そして歴史戦の論者は「大日本帝国」の名誉を回復することを目的にしており、あらかじめ問題の結論を定めてそれに合う事実を並べて論証している。歴史学者はそれと異なり問題をとりまく事実を探求しその原因や構造を解明し将来に役立てることを目的としている。歴史の解釈に振れがあるのは当然だが、その歴史があらかじめ結論を定めて論証された歴史であってはならないということで歴史戦の論者の主張に疑問を持ち見極める必要があるということである。

歴史問題での日本批判は今の日本国ではなく大日本帝国に対しての批判であるから、歴史戦の論客は大日本帝国の名誉を回復するためではなく、いまの日本国の名誉や国際的信用を高める方向に路線変更すべしと提言している。いまの日本国はかつての大日本帝国と言っていた日本国ではないと認識して論陣を張れ、歴史戦で勝つとはそういうことだと言っている。

私は大日本帝国のような日本国を意識していないし望んでもいない。そういう私だが、歴史問題に起因する中国や韓国からの批判がいまの日本国(あるいは自分の国)を貶めようとしての攻撃のように感じるところがある。私の感覚では、中国や韓国からの批判はそれぞれの国が仕掛けて来たいわゆる戦い(相手側からの歴史戦)のように思えている。

中国や韓国が何らかの意図を持っていまの日本に仕掛けた戦いの一面があるという印象を持っている。始めたのはあちらで日本は仕掛けられたので応戦している。だから日本の論客は証拠として挙げられた事実を覆すことに労力を割いているのではないか。それをこの本では結論を決めてそれに合う事実を探すと批判している感がある。

この本では日本側の歴史戦の論の張り方への非難が多いのだが、私はこの本で逆に中国や韓国の非難の仕方などが歴史戦としていまの日本に打撃を与える意図があるあるいはそのために結論ありきの論証に基づいての攻撃ではないかと日本側を批判すると同じような態度で論じていないことにも疑問を感じる。中国や韓国も問題をとりまく事実を探求しその原因や構造を解明し将来に役立てることを目的とせず、いまの日本を攻撃するに役立つよう結論ありきで論を張っている面があるように私は感じている。

この本はあまりにも産経に連なる日本人の歴戦戦論客への批判に注力しすぎている印象を与える。歴史戦の論者はある登山道を登りその視野に映っている景色を述べているのかも知れないが、それも歴史学者にとっては研究資料の一つではないのかという気がする。また歴史研究の観点から歴史戦を論ずるなら日本だけではなく中国や韓国などの裏も探っての全体像から論ずるのが公平かという感じがある。

私が日本側の歴史戦と言われる言論に思うのは、歴史の一場面としての「歴史の名でいまの日本を攻撃する動きに対抗する動き」として出て来たものであって、大日本帝国を擁護しその名誉を回復するために出てきたものではないのではということである。歴史はもともと政治的な要素を多く含むからもっと原因や構造の広範な論及がないと、私の歴史戦に対する見方を変えるには至らない。


補足1: 
韓国の代弁しかしない印象の韓国人大学教授
2019.07.03
日本が韓国をホワイト国から外すことにし半導体製造材料3品目の輸出品を審査対象にした件について論議するテレビ番組を見たのだが、出席していた李泳采(イヨンチェ)氏が韓国の言い分を代弁し擁護するような発言に終始しているような印象だった。韓国はこう、日本はこう、それで自分はそれらからこう判断するというような自分の意見ではなく、韓国の事情や主張ばかりで日本の事情や主張と対比した公正な論議をしない印象である。私は理屈をこねくり韓国の言い分を正当化しまくる金慶珠(キムキョンジュ)氏にも似たような印象をもっている。両者とも、韓国の意向を代弁し韓国を擁護する一方で日本で要人や有識者との論議で得た情報や感触を韓国の誰かに伝えあるいは日本への対抗策を指南する韓国の工作員まがいではないかと私は疑っている。

補足2: 
仕掛けたのは韓国_米専門家多数の意見
2019.07.15
マイケル・グリーンCSIS上級副所長の発言:
ワシントンの専門家たちは、韓日関係に関して原罪は日本にあると考えているが、最近の(日本の経済報復につながった)対立状況は韓国が始めたとの見方が多い。(7月8日)


(関連記事)
屋久島方丈記・日誌編:
  No.335  非難と被害のアッピールより「これからどうする」  (2016.03.14) 
屋久島方丈記・偏見ご免のたわごと編:
  No.520  どうしようもないことを前提に_対韓国  (2019.05.22)

. 
 
 
back
「My logbook : 屋久島方丈記」は、「 My logbook : 屋久島生活の断片」の
日誌編 と 偏見ご免のたわごと編 の 継続版です。
My logbook : 屋久島生活の断片」の ご案内
日誌編 と 偏見ご免のたわごと編 (2010.05.31までの記事)
屋久島釣り場案内
妻関連の「SpinCom」と「SpinCom Gallery」